さすれば恋となる
耳を疑った。
だって、まさか…
「 暁月君が倒れたって… どうして?」
「 わからない 」
わからないって… そんなの、私じゃもっとわかんないよ。
や、だ……
心臓が痛い。
体が、震える……
「 詩乃ちゃん、大丈夫?」
私は風磨君に手を繋がれたまま、しゃがみこんだ。
立ってられない。
「 詩乃ちゃ… 」
「 …願い…… 風磨君… 緋衣呂君を、守ってよ 」
暁月君は緋衣呂君より弱い。
何かあったら、そんな風に考えたくないのに頭が考えてしまう。
怖い事を思ってしまうの。
「 助けて… 」
どうか、どうかっ……
「 詩乃ちゃん、今は緋衣呂には会えないと思う。たぶん、しばらくは… 今からちょっと俺に付き合って 」
風磨君に言われて支えられながら立ち上り一緒に行く。
緋衣呂君……
待ってるから、声を聞かせて。