【短】君のこと、離してなんてあげない。
お店の外に出ると雪がちらついていた。
「ホワイトクリスマスだね」
「そうですね」
「俺の家、来る?」
「……行って、いいなら」
「おいで。ケーキ食べよ」
「はい」
わかってますよ。
きっとケーキ食べるくらいじゃ済みませんよね。
だってあなたは大人だから。
ただ一緒にいてお喋りするくらいの。
そんなデートなんて、しないんでしょ?
このあとどんな展開が待っているのだろうかって。
そう思うとこんなに寒い日なのに身体がかぁっと熱くなってくる。
「かわいい、雪華ちゃん。耳まで真っ赤」
「それは、寒いからで……」
「ほんとに可愛いよ」
可愛い可愛いうるさい。
「“5歳児みたいにかわいい”ですか?」
「違う。ちゃんと女の子として」
「っ、」
「照れてる」
「からかわないでください」
「からかってないさ。本気だよ。本気だから、困ってる」