Dear Hero
さあっと風が吹いて、紺野の髪を揺らす。
「ダイくんの、ぶっきらぼうだけど強くて優しいところが大好き。ダイくんに護られる女の子になりたいってずっと思ってたの」
「……」
「小学生の時は、私も見た目あんなんだったし…女の子としてじゃなくて、仲間みたいに見られてたんだろうなって思ってた。だから、中学の時はマネージャーになったの。少しでもダイくんの近くにいたくて」
「……」
「私、割とアピールしてたんだけどなぁ…。休憩になると一番にタオル渡すのはいつもダイくんだったよ」
タオルの件は何となくそんな気はしてたけど、それは俺の自惚れで、ただ単にタイミングよく近くにいたのがいつも俺なんだとしか思っていなかった。
そういえば、試合の度に手作りのお守りをもらっていたけど、他の奴はもらってないって言っていた。もしかして、それも俺が特別だったってことなのかな。
「……あの時から、ダイくんは部活にも道場にも顔出さなくなって、顔合わす事もなかったから……高校まで追いかけてきちゃった。執念深くてごめんね」
紺野の頭ならもっと上の学校いけると思ってたのに、同じ高校に進むんだと風の噂で聞いて驚いたけど、それも俺のためだったというのか。
そうとも知らずに、紺野から逃げ出した自分自身が情けない。
「あの時のダイくん、男らしくてすごくかっこよかったんだ。こんな私でも護ってくれる人がいるんだって…夢みたいだった」
「………」
「今日、一緒に回ろうってOKもらったの、すごく嬉しかった。隣を歩くダイくんは大人っぽくなってて、ずっとドキドキしてた…。ぶっきらぼうなのに優しい言葉も、声も、笑顔も、ちょっと鈍感なところも。ダイくんの良さは変わらない」
「………」
「大好き、ダイくん」
こんな事ってあるのだろうか。
自分が好きだった子が、同じように好きでいてくれていたなんて。
きっと、2年前の俺だったら手放しで喜んで自分の気持ちを伝えていたに違いない。
目の前にいる紺野は、今まで見ていた中で一番かわいかった。
手を引き寄せ、抱きしめたくなってしまう。
でも、俺がそうしたいのは、紺野じゃない。
…それに、紺野は好きだった女の子であると共に、俺のトラウマの原因でもある。
今も目を瞑れば昨日の事のように鮮明に思い出す。
あの、冬の日の事を————
「ダイくんの、ぶっきらぼうだけど強くて優しいところが大好き。ダイくんに護られる女の子になりたいってずっと思ってたの」
「……」
「小学生の時は、私も見た目あんなんだったし…女の子としてじゃなくて、仲間みたいに見られてたんだろうなって思ってた。だから、中学の時はマネージャーになったの。少しでもダイくんの近くにいたくて」
「……」
「私、割とアピールしてたんだけどなぁ…。休憩になると一番にタオル渡すのはいつもダイくんだったよ」
タオルの件は何となくそんな気はしてたけど、それは俺の自惚れで、ただ単にタイミングよく近くにいたのがいつも俺なんだとしか思っていなかった。
そういえば、試合の度に手作りのお守りをもらっていたけど、他の奴はもらってないって言っていた。もしかして、それも俺が特別だったってことなのかな。
「……あの時から、ダイくんは部活にも道場にも顔出さなくなって、顔合わす事もなかったから……高校まで追いかけてきちゃった。執念深くてごめんね」
紺野の頭ならもっと上の学校いけると思ってたのに、同じ高校に進むんだと風の噂で聞いて驚いたけど、それも俺のためだったというのか。
そうとも知らずに、紺野から逃げ出した自分自身が情けない。
「あの時のダイくん、男らしくてすごくかっこよかったんだ。こんな私でも護ってくれる人がいるんだって…夢みたいだった」
「………」
「今日、一緒に回ろうってOKもらったの、すごく嬉しかった。隣を歩くダイくんは大人っぽくなってて、ずっとドキドキしてた…。ぶっきらぼうなのに優しい言葉も、声も、笑顔も、ちょっと鈍感なところも。ダイくんの良さは変わらない」
「………」
「大好き、ダイくん」
こんな事ってあるのだろうか。
自分が好きだった子が、同じように好きでいてくれていたなんて。
きっと、2年前の俺だったら手放しで喜んで自分の気持ちを伝えていたに違いない。
目の前にいる紺野は、今まで見ていた中で一番かわいかった。
手を引き寄せ、抱きしめたくなってしまう。
でも、俺がそうしたいのは、紺野じゃない。
…それに、紺野は好きだった女の子であると共に、俺のトラウマの原因でもある。
今も目を瞑れば昨日の事のように鮮明に思い出す。
あの、冬の日の事を————