Dear Hero
「ダイくん」

沈黙を破ったのは、紺野だった。

「やっぱり、その衣装かっこいいね。男の人って感じ」
「おお…あざす」

予算の都合で、エプロンとスカーフしか作れなかったから、その下は制服のシャツとズボンだ。
いつもとそんなに変わらないはずなのに。
それでも、女の子から“かっこいい”なんて言われてしまったら、そりゃ悪い気はしない。

「あははっまんざらでもない顔」
「すいませんね、単純で」
「今日、一緒に回れてよかった」

はにかんだ笑顔。
かわいい。
目が離せなくなってしまう。


「ちょっとの時間だけだったけど、すごく楽しかったよ。久しぶりだね、ダイくんとこんな風に並んで歩くの」
「……」
「あのね、私ね」

ふうと大きく息を吐いて強くこちらを見据える瞳に、思わず俺も背筋を伸ばす。


「小さい時からずっと、ダイくんの事が好きだよ」
< 99 / 323 >

この作品をシェア

pagetop