Dear Hero
中学3年生の春。
俺と大護は同じクラスになった。
……正直、その後高校卒業するまで5年間も同じクラスでい続けるなんて奇跡が起こるとは、思いもしなかったけど。
紺野とは違うクラスだった。
ちょっとほっとしてた。
楽しそうに笑い合う二人を毎日目の前で見るなんて、絶対無理だと思ったから。
「大護は、紺野に告んないの?」
「……っ!?」
桜の花が散って、新緑がキレイに色づき始めた頃、弁当食ってる時に何の気なしに聞いてみた事がある。
二人を見守り始めてから一年近く経つのに、ちっとも進展していなかったから。
ご飯を掻き込んでいた大護が、むせて涙目になっていた。
「……なに、いきなり」
「いや、なんとなく」
「え……ていうか、え?なんで?俺言ったっけ?」
「違うの?」
「……違わない…けど……」
左手で口元を拭うように隠すと、目を逸らして顔を紅く染める大護。
紺野と同じリアクションしてんじゃねぇよ。
「仲いいじゃん。告んないの?」
「昔からの付き合いだし、そりゃ仲は悪くないとは思うけど…。なんつーか…告っちゃいけない雰囲気っていうか…」
「なにそれ」
「あいつ、空手部のみんなから人気あるんだよ」
「それはなんかわかる」
「空手部の暗黙のルールがあって」
「なにそれ」
「“紺野はみんなのアイドル。勝手に告るべからず”てゆうのがあって」
「なんだそれ」
「だから、抜け駆けしちゃいけないっつーか…俺、空手部のみんなも大事だし…」
「それ、空手部以外のヤツが告ってくるかもしんないじゃん」
「まぁ…前サッカー部の奴に告られてたしね…振られてたけど」
「意味わかんねぇ…」
正直、呆れた。
そんな理由で進展がないのかと。
だって、どこからどう見たって二人は両想いなのに。
でも、大護は男気のあるヤツだから、きっと紺野が他のヤツと付き合うなんて事になったら、何も言わずそっと身を引くんだろうな。
俺は、紺野が大護以外のヤツと付き合うなんて考えられないけど。
「じゃあ、ずっと片想いで終わんの?」
「いや……中学卒業する時には言おうかなって思ってはいるけど…」
「あと一年もあるじゃん!」
「ダメかもしんないじゃん。今は…あいつの近くにいられるなら、それでいいよ……」
ぼそっと呟くと、「あぁもう!この話はもうやめ!」とかき消して、また弁当を掻き込み始めた。
両想いなんだから、早く想いを伝えあえばいいのに。
始まるか終わってくれないと、俺の恋は動き出さないのに。
でも、二人の恋の終わりなんて望んでいない。
「……ヘタレ」
「……ウルサイ」
「大護」
「なに」
「……がんばれよ」
「………おう」
照れたように笑う大護。
一番のヘタレは、気持ちを伝える事すら諦めた俺自身なのにな。
俺と大護は同じクラスになった。
……正直、その後高校卒業するまで5年間も同じクラスでい続けるなんて奇跡が起こるとは、思いもしなかったけど。
紺野とは違うクラスだった。
ちょっとほっとしてた。
楽しそうに笑い合う二人を毎日目の前で見るなんて、絶対無理だと思ったから。
「大護は、紺野に告んないの?」
「……っ!?」
桜の花が散って、新緑がキレイに色づき始めた頃、弁当食ってる時に何の気なしに聞いてみた事がある。
二人を見守り始めてから一年近く経つのに、ちっとも進展していなかったから。
ご飯を掻き込んでいた大護が、むせて涙目になっていた。
「……なに、いきなり」
「いや、なんとなく」
「え……ていうか、え?なんで?俺言ったっけ?」
「違うの?」
「……違わない…けど……」
左手で口元を拭うように隠すと、目を逸らして顔を紅く染める大護。
紺野と同じリアクションしてんじゃねぇよ。
「仲いいじゃん。告んないの?」
「昔からの付き合いだし、そりゃ仲は悪くないとは思うけど…。なんつーか…告っちゃいけない雰囲気っていうか…」
「なにそれ」
「あいつ、空手部のみんなから人気あるんだよ」
「それはなんかわかる」
「空手部の暗黙のルールがあって」
「なにそれ」
「“紺野はみんなのアイドル。勝手に告るべからず”てゆうのがあって」
「なんだそれ」
「だから、抜け駆けしちゃいけないっつーか…俺、空手部のみんなも大事だし…」
「それ、空手部以外のヤツが告ってくるかもしんないじゃん」
「まぁ…前サッカー部の奴に告られてたしね…振られてたけど」
「意味わかんねぇ…」
正直、呆れた。
そんな理由で進展がないのかと。
だって、どこからどう見たって二人は両想いなのに。
でも、大護は男気のあるヤツだから、きっと紺野が他のヤツと付き合うなんて事になったら、何も言わずそっと身を引くんだろうな。
俺は、紺野が大護以外のヤツと付き合うなんて考えられないけど。
「じゃあ、ずっと片想いで終わんの?」
「いや……中学卒業する時には言おうかなって思ってはいるけど…」
「あと一年もあるじゃん!」
「ダメかもしんないじゃん。今は…あいつの近くにいられるなら、それでいいよ……」
ぼそっと呟くと、「あぁもう!この話はもうやめ!」とかき消して、また弁当を掻き込み始めた。
両想いなんだから、早く想いを伝えあえばいいのに。
始まるか終わってくれないと、俺の恋は動き出さないのに。
でも、二人の恋の終わりなんて望んでいない。
「……ヘタレ」
「……ウルサイ」
「大護」
「なに」
「……がんばれよ」
「………おう」
照れたように笑う大護。
一番のヘタレは、気持ちを伝える事すら諦めた俺自身なのにな。