Dear Hero
夏。
大会に敗れたヤツから部活を引退していく頃。
俺は、県大会の二回戦で負けて二年ちょっとのテニス生活が終わった。
少し遅れて、大護と紺野の夏も終わっていた。
大護は、あと一歩で全国大会だったんだって。
本気でそう思ったから、素直に「すごい」って言ったのに、「俺、何でも中途半端だから」なんて頭掻いて笑ってた。
「口ではあんな事言ってるけど、試合後は部室で一人、泣いてたんだよ」と紺野がこっそり教えてくれた。
部活への姿勢だったら、俺の方が中途半端だよ。
なんとなく入ったテニス部で、なんとなく練習続けて、なんとなく試合に出て、勝ったり負けたり。
最後の試合、負けたのに俺は涙は出なかった。
大護みたいに、全力で打ち込んでなかったのかもしれない。
俺のが早く部活が終わって空手部の練習場に行っていた時、練習中の大護を見た。
俺といる時には見せないような真剣な顔。
居残り練習してくからって、俺に紺野を送らせる事も度々あった。
そんな姿を見ていたから。
だから。
試合に負けて悔しいと涙を流せる大護が羨ましかったし、かっこいいと思った。
三年生になってからは、大護も紺野も遠慮なしに俺に恋のご相談をしてくるようになっていた。
ご相談といっても、俺からしたらただのお惚気話だったんだけど。
「ダイくんの誕生日プレゼント、何がいいと思う?」
「この前、AVが欲しいって俺の兄貴に言ってた。女教師もの」
「ちょっと!真面目に答えてよ!」
「すんません」
「ダイくんヒーロー物好きだからなぁ…そっち路線かなぁ…でもヒーロー物なんて知らないしなぁ…」
「俺、飯奢る」
「あ、ずるい」
「大護、赤好きだよね」
「戦隊っぽい!」
「試合の時に使えるものにしたら?」
誕生日に渡した赤いタオルと、いつも大会の度に作っているという手作りのお守りを、夏の大会で持っていてくれていたと、引退してから嬉しそうに紺野は報告してくれた。
俺のハートは、それくらいの惚気話ではへこたれないくらい、タフになっていた。
大会に敗れたヤツから部活を引退していく頃。
俺は、県大会の二回戦で負けて二年ちょっとのテニス生活が終わった。
少し遅れて、大護と紺野の夏も終わっていた。
大護は、あと一歩で全国大会だったんだって。
本気でそう思ったから、素直に「すごい」って言ったのに、「俺、何でも中途半端だから」なんて頭掻いて笑ってた。
「口ではあんな事言ってるけど、試合後は部室で一人、泣いてたんだよ」と紺野がこっそり教えてくれた。
部活への姿勢だったら、俺の方が中途半端だよ。
なんとなく入ったテニス部で、なんとなく練習続けて、なんとなく試合に出て、勝ったり負けたり。
最後の試合、負けたのに俺は涙は出なかった。
大護みたいに、全力で打ち込んでなかったのかもしれない。
俺のが早く部活が終わって空手部の練習場に行っていた時、練習中の大護を見た。
俺といる時には見せないような真剣な顔。
居残り練習してくからって、俺に紺野を送らせる事も度々あった。
そんな姿を見ていたから。
だから。
試合に負けて悔しいと涙を流せる大護が羨ましかったし、かっこいいと思った。
三年生になってからは、大護も紺野も遠慮なしに俺に恋のご相談をしてくるようになっていた。
ご相談といっても、俺からしたらただのお惚気話だったんだけど。
「ダイくんの誕生日プレゼント、何がいいと思う?」
「この前、AVが欲しいって俺の兄貴に言ってた。女教師もの」
「ちょっと!真面目に答えてよ!」
「すんません」
「ダイくんヒーロー物好きだからなぁ…そっち路線かなぁ…でもヒーロー物なんて知らないしなぁ…」
「俺、飯奢る」
「あ、ずるい」
「大護、赤好きだよね」
「戦隊っぽい!」
「試合の時に使えるものにしたら?」
誕生日に渡した赤いタオルと、いつも大会の度に作っているという手作りのお守りを、夏の大会で持っていてくれていたと、引退してから嬉しそうに紺野は報告してくれた。
俺のハートは、それくらいの惚気話ではへこたれないくらい、タフになっていた。