Dear Hero
理由もなく悔しそうに睨まれる。
紺野に睨まれるのは、キライじゃないけど。
「俺の事、見る目変わった?」
「変わった!変わりました!…っ悔しい!もう聞きたくない!」
今度はぷいっと拗ねられてしまった。
紺野は誤魔化すように、本棚の物色を再開する。
「……あれ?このタイトル見た事ない」
CDを並べている棚を見ながら、一枚のCDを取り出す紺野。
俺と紺野が好きなアーティストのCDだ。
「それ、インディーズ時代の」
「わ、聴いた事ない」
「貸すよ。聴いてみて。俺はどっちかっつーとデビュー後より昔のが好き」
「わーい。楽しみ」
「あと、それが好きならこっちも好きかも。テツくんのおススメ」
同じ棚から別のアーティストのCDを取り出すと、紺野の表情がぱっと明るくなる。
今までとはちょっと違う表情で、新たな一面を見れた気がする。
「紺野は、ライブとか行かないの?」
「周りに好きな子がいなくて。かといって一人で行くのも怖いし。テツくんは?」
「俺は一人でも行っちゃうからなぁ。楽しいよ。MCすげぇ面白いし」
「えぇー…いいなぁ…」
「じゃあ、今度は一緒に行く?」
「……っ」
「つーか、今までも一緒に行けばよかったな。ライブくらいなら“友だち”でも行くんだし」
「…っ行きたい!」
目をキラキラさせながら乗り気の紺野。
おいおい、簡単にデートのお誘いに乗っちゃったんですけど。
こんな事ならもっと早くに誘えばよかった、なんてちょっと後悔してしまう。
そんなに嬉しそうにしてるのは、
ライブに行けるから?
それとも……俺と一緒だから?
目線がCDに釘付けだから、間違いなく前者なのだろうけど。
紺野に睨まれるのは、キライじゃないけど。
「俺の事、見る目変わった?」
「変わった!変わりました!…っ悔しい!もう聞きたくない!」
今度はぷいっと拗ねられてしまった。
紺野は誤魔化すように、本棚の物色を再開する。
「……あれ?このタイトル見た事ない」
CDを並べている棚を見ながら、一枚のCDを取り出す紺野。
俺と紺野が好きなアーティストのCDだ。
「それ、インディーズ時代の」
「わ、聴いた事ない」
「貸すよ。聴いてみて。俺はどっちかっつーとデビュー後より昔のが好き」
「わーい。楽しみ」
「あと、それが好きならこっちも好きかも。テツくんのおススメ」
同じ棚から別のアーティストのCDを取り出すと、紺野の表情がぱっと明るくなる。
今までとはちょっと違う表情で、新たな一面を見れた気がする。
「紺野は、ライブとか行かないの?」
「周りに好きな子がいなくて。かといって一人で行くのも怖いし。テツくんは?」
「俺は一人でも行っちゃうからなぁ。楽しいよ。MCすげぇ面白いし」
「えぇー…いいなぁ…」
「じゃあ、今度は一緒に行く?」
「……っ」
「つーか、今までも一緒に行けばよかったな。ライブくらいなら“友だち”でも行くんだし」
「…っ行きたい!」
目をキラキラさせながら乗り気の紺野。
おいおい、簡単にデートのお誘いに乗っちゃったんですけど。
こんな事ならもっと早くに誘えばよかった、なんてちょっと後悔してしまう。
そんなに嬉しそうにしてるのは、
ライブに行けるから?
それとも……俺と一緒だから?
目線がCDに釘付けだから、間違いなく前者なのだろうけど。