秋の月は日々戯れに

でも彼には、何となく感じるものがあった。

気配とはまた違う何か、最早ただの感のようなものでしかないけれど、確かに彼女はそこにいると――。

もう一度テーブルの上に視線を戻した彼は、何となく準備されていたスプーンでオムライスを一口掬って口に運ぶ。

今時の半熟ではない、固めに焼かれた玉子と、少しケチャップが多いのか、べちょっとしていて酸味が強い中のご飯。

入れる具材はなかったのだろう、ひどくシンプルなオムライスだったが、味はやっぱり微妙だった。

相変わらず、不味いわけでもなければ美味しいわけでもない。

三口ほどでお腹が限界を迎え、仕方がないので残りはラップをかけて冷蔵庫にしまう。

そこから手早く寝る支度を整えてベッドに潜り込んだとき、ずっと暖房をつけていなかったのが祟ってすっかり冷えた体に、同じように冷たい布団が触れることで、体が一度大きく震えた。

今更暖房をつけるわけにもいかないので、僅かに体内に残ったアルコールの温みを抱きしめるように体を丸め、その日はそのまま眠りにつく。

そして朝を迎え、一晩押さえ込んでいた彼女の怒りが爆発した。





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