運命の出会いは誓いのキスから 《番外編追加》
結局、優衣を先に寝かせ、深夜まで考えたものの名前は思いつかない。
予定日は五日後だったけれど、この日も俺はあまりちゃんと眠れなかった。

「いたっ、痛い」

眠れないけれど、明日は休みだし、少し横になろうとシャワーを浴び、優衣が眠る寝室に向かった午前五時。

寝室のドアを開けた俺の目に映ったのは、痛みに耐える優衣の姿だった。

「優衣、大丈夫?」

急いで優衣に駆け寄ると、お腹を抑え、息も絶え絶え。陣痛が来たのだろうか。
どうしよう、病院に電話をしなくてはと焦っている俺を優衣は止めた。


「まだ、間隔がそんなにあいてないので電話は早いですよ。初産なので五分間隔になったらってもらった手引きに書いていました」


もうすぐ母親になろうとしている優衣。
出会った頃は、狼狽えることが多かった彼女が俺よりもすごくしっかりしていて、頼もしくみえた。


すごいな、こんなにも強くなれるんだ。
母親になるって。


痛みに苦しむ優衣は、何もできず握るだけの俺の手を陣痛が来るたびに強く、強く握った。

それから五分間隔になったのは、一時間後。
ようやく病院に電話をし、すぐに向かうことになった。


自分で運転していこうと思ったけれど、優衣を支えたい。
野島さんにお願いして、病院まで連れて行ってもらうことにした。
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