運命の出会いは誓いのキスから 《番外編追加》
「俺と付き合ってほしい」


さすがに告白とまでくると思考回路が停止した。この人、ホストなんてやめて、役者にでもなったほうがいいと思う。

それくらい今の告白はグッときた。

心がボロボロで弱っている私には危険な誘惑にしかすぎない。
でも、この人はホストだ。
私の他にもきっと同じように言われた人が大勢いる。

大金を払えるくらいの気持ちはあっても大金はない。


「わ、私何も持ってないですよ。お金もないです。ごめんなさい」

これ以上、常套句で口説かれ続けたら身がもたない。早く諦めてもらわなくてはと思い、言った言葉に彼は目を見開き、驚いたと思ったら、今度は大きな声を挙げて笑った。

「まだホストだと思ってたんだ。普通に考えて、ホストが会社の屋上にいるわけないだろ。心配しなくてもお金なんて取るつもりないから」

ホストじゃない?
それとも嘘をついている?
じゃなきゃおかしい。こんな素敵な男性が屋上で愚痴を言うような女に付き合ってほしいなんて言うなんて。

「ホストじゃないなら、どうして?」


「そういうところが可愛くてたまんないんだよ。素直でわかりやすくて。でも、まさか俺が自分からこうやって抱きしめたいなんて思う子に出会うなんて自分でも驚いてる。俺、諦め悪いから、覚悟して」
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