自分で決める!!!
「その手、何? 進くん…」
何故か私の目の前には差し出された進くんの左の手のひらが。
「階段を上がるので、僕の手を掴んで下さい」
「うん……。大丈夫だから」
「由子さん。遠慮せずに掴んで下さい」
「うん……。遠慮してないから」
「由子さん…」
「自分で上がれるから!!!
行こう!!!」
「はい……」
「何階?」
「3階です。
…ここです」
301号室。
ここに…進くんが住んでるんだ。
ここに…私も住むんだ。
ガチャッ。
「どうぞ」
家の中はどんななんだろう……。
「お邪魔します……」
進くんの家の中は
綺麗だった。
とても。
「靴は全部靴箱に入れてるんだね」
「はい」
玄関。
「引っ越してきたばかり? 光ってるね」
「いえ、ここに住んで三年になります」
床。
「料理しないの? 使ってないみたいだけど」
「毎日してますよ」
キッチン。
「黒カビがないけど、特殊なタイルなの?」
「普通のタイルだと思いますけど…」
お風呂。
「どこかのトイレ使ってるよね?」
「どこかのトイレ? ここのトイレを使ってますけど…」
トイレ。
「ここ、ホテル?」
「ホテルじゃないですよ。アパートです」
ベッド。
全部。
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