自分で決める!!!
『途中まででもついていったらダメですか?』
『僕は…心配なんです……』
『一人で歩くのは怖いんじゃないかと思って』
『もし、怖かったら電話して下さい。
すぐに駆けつけますから』
逃げたいけど…逃げたらダメだ。
「落ち着け…落ち着け…」
逃げないって自分で決めたんだから!!!
「ごちそうさまでした」
「うん。ごちそうさまでした」
「由子さん、ありがとうございます。
いなり寿司美味しかったです」
「うん……。
コンビニのだけど……」
「関係ありません。
いなり寿司は僕の大好物ですし」
「うん……。知ってる」
「由子さん…。知ってたんですか? 僕がいなり寿司好きな事を…」
「うん……。前に進くん言ってたじゃん…」
「覚えてて、買って来てくれたんですね……」
「うん……。……何?」
ジーッと私の顔を見つめる進くん。
「好きです。
改めてそう思いました……」
「うん……。片付けるね……」
私は空になったパックの容器をビニール袋の中に入れると
「僕が捨てますね」
進くんがそのビニール袋を私から取ってゴミ箱に捨てた。
「ありがとう……」
「由子さん。お風呂ですけど、湯船に浸かったりしますか? そうなら僕がお湯を溜めておきますが…」
「うん……。湯船には浸からないけど…。
私、お風呂は今日いいよ。着替えないし…」
衣服は全部実家にあるのだ。
「着替えならありますよ」
「うん……。……えっ?」
< 30 / 60 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop