自分で決める!!!
「直之が前に勝手に置いて行ったんです」
進くんがタンスの一番下を開けると、右端に置かれている衣服を指さす。
「“いつか役に立つ時が来るから捨てるな”って直之に言われて、捨てたら何か言われると思って、ずっとそのままに…」
私は一番上にあった黒い服を手に取り、広げてみる。
「うん。確かに女性物の服だね」
サイズは…M。
私が着るサイズだ。
その服の下にある服を、見ていくと黒・白・グレー…。
私が好んで着る服の色だ。
直之あいつ…私が進くんの家に来て泊まるって分かってたの?
もしかして…こうなったのも実はあいつの作戦だったんじゃ!!
「それと…一番下にあるピンクの袋なんですけど……」
「うん……」
「下着…だそうです」
「うん……。そう……」
「僕、リビングに居ますね」
「うん……」
進くんが部屋を出るのを確認すると、私はピンクの袋を開けて見た。
……違うな。あいつの作戦じゃない。
見るとそこには上下赤色のスケスケのレース生地で作られたかなり小さめのブラジャーとTバックのパンツが入っていた。
「絶対に違う!!!」
私はこんなセクシーな下着はかないわ!!!
「進くん!!!」
「はい」
「私、今日はお風呂に入らないから!!!」
「……分かりました」
私は怒りながらリビングの黒色のソファーに座った。
♪♪♪~♪♪~。
それと同時にテーブルに置かれている進のスマホが鳴る。
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