お気の毒さま、今日から君は俺の妻

 龍一郎に抱かれた後、何度もうとうととしては目を覚まし、澄花はいまだ体に残る快感の波に戸惑っていた。
 龍一郎は澄花を背後から抱いて、静かに眠っている。
 おたがい裸だが、裸でくっついているのはずいぶんと心地よく、人肌とはこんなに落ち着くものなのかと、不思議な気持ちになった。


『これから毎晩、俺は君を抱く……とろとろに甘やかして、気持ちよくして、愛して……俺なしじゃ眠れない体に作り替える。それが俺の望みだ』


 抱いている最中、龍一郎は澄花にそう宣言した。

 毎晩抱いて、愛すると。


(じゃあ、この行為は、龍一郎さんにとって、愛するということなんだろうか……)


 愛――。

 重い言葉に、澄花の胸は靄がかかったように重くなる。

 今日、初めてのふたりの夜が終わり、澄花は龍一郎の妻になった。

 龍一郎とは出会ってひと月。
 彼のことはほとんど何も知らない。
 なのに自分は彼に抱かれて、あまつさえ快楽を知ってしまった。

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