お気の毒さま、今日から君は俺の妻
自分に大事にされる価値はない。かわいがられたり、愛されたり、そういうのはきちんとした女性が受けるべき愛情だ。自分にはもったいなさすぎる。
ではどうしたらいいのか。わからない。
「――はぁ……」
なんだか気持ちがふさいでしまう。思わずため息を漏らすと、
「澄花?」
頭の上から、龍一郎の声が聞こえた。
澄花を背後から抱く彼は、一方の腕を澄花の頭の上に投げ出し、もう一方を腰に回している。澄花の背中と龍一郎の胸やお腹が、ぴったりと体が重なっているので、まるで自分の中から龍一郎の声が聞こえた気がした。
「ごめんなさい。起こしてしまいましたか?」
遮光カーテンを閉めているので外が今どうなっているかわからない。ただ夜明けにまだだいぶ時間があるのは感覚的にわかっていた。
「いや」
龍一郎は軽く体を起こして片手で頭を支えると、澄花の腰に回していた手を肩に乗せて撫でる。