お気の毒さま、今日から君は俺の妻

 だが珠美は人差し指をピンと顔の前に立てて「チッチッチッ」と言いながら、左右に振る。


「それがですね、なんと、そのなんとかいうパーティー、うちの営業も招待されてるみたいですっ、だから私たちがいても大丈夫ですよっ! ささっ、先輩準備してくださいっ!」


(なんとかいうパーティー……?)


 主催も目的もさっぱりわからない。おおざっぱなことこの上ないが、珠美は兄の晴れ舞台だからと行くことを決めたようだ。そしてそこに澄花が行くことも決定事項になっているらしい。


(まぁ、いいか……)


 今日は水曜日で、週の真ん中ではあるが特に予定があるわけでもない。帰宅して、慎ましい夕食を食べ、本を読み寝るだけだ。


「そうね。真琴くんのケーキなら見に行かなくちゃね」


 澄花は笑ってうなずいた。



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