お気の毒さま、今日から君は俺の妻

 ドレスアップした澄花を見て、迎えに来た龍一郎は目を輝かせた。
 階段の途中で立ち止まって、降りてくる澄花を見てため息を漏らす。


「お待たせしました」


 澄花は笑顔を作って龍一郎の前に立つ。
 ほんの少し前までウキウキワクワクしていたのに、そんな気持ちは吹き飛んでしまった。だが龍一郎を嫌な気持ちにしたくないので、澄花はできるだけ笑顔でいようと、心に決めた。


(そうよ。これは私の問題なんだから、龍一郎さんに気を使わせないようにしなきゃ)


「どうですか? 変じゃないですか?」

 少し恥ずかしいなと思いながら問いかけると、

「澄花」

 龍一郎は澄花の腰に手をあてて、軽く引き寄せると額に唇を寄せる。


「なんてきれいなんだろう……。目がくらみそうだ」


 そういう龍一郎の声は少し弾んでいて、喜んでくれているのが伝わってくる。


「いつもの私なら、君をここで抱き上げてすぐさま寝室に向かうところだが、我慢しておこう」
「おいしい食事が待ってますからね」
「ああ、そうだ」


 龍一郎は機嫌よくうなずいて、澄花の腕を自分の腕にかけて微笑んだ。

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