お気の毒さま、今日から君は俺の妻
澄花がほわーっと天井を見上げていると、初老の黒服の男性が近づいてくる。
「葛城様、いらっしゃいませ」
「黒田さん、お久しぶりです。今日は妻と一緒です」
そこで澄花は自分が紹介されたことに気づいて、ハッとして顔を黒田と呼ばれた男性に向ける。
「あっ……初めまして。澄花と申します」
(恥ずかしい……シャンデリアに見惚れてたのきっとばれてしまっていたわよね)
澄花は照れながら頭を下げるが、黒田はそんな澄花を見て、にっこりと微笑んだ。
「奥様、お会いできて嬉しく思います。支配人の黒田と申します。本日はどうぞお楽しみくださいませ」
「はい……ありがとうございます。楽しみにしています」
澄花も丁寧に頭を下げて、それから龍一郎と二階へエレベーターであがり、個室に通された。