お気の毒さま、今日から君は俺の妻

 そうきっぱり言われてしまうと、もうとりつくしまもない。


(もっと自然に聞き出せたらよかったのかな……思わず食い気味になってしまったのがいけなかったのかも)


 反省したがあとのまつりだ。澄花はしょぼんと気落ちしてしまった。
 そんな澄花を見て、龍一郎は少し困ったように目を細める。


「――すまない。私はあまり、自分の話をするのが得意ではないんだ」


 その声はいつもより少し柔らかい。彼は彼なりに、悪いと思っているのが伝わってくる。澄花はすぐに反省して、顔を上げた。


「ううん、いいんです。私こそごめんなさい」
「謝ることはない。きみが悪いことなど何一つないんだ。悪いのは私だ」
「龍一郎さん……」


 自分はただ、龍一郎の内面を垣間見れた一瞬を惜しんだだけだ。


(なぜ自分が悪いなんて言うの?)


 澄花は少し悲しい気分になりながらも、そんなそぶりを見せないように必死に表情を作る。
 だがそれまで和やかだったふたりの間の空気が、少し変わったのを感じていた――。

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