お気の毒さま、今日から君は俺の妻
それもそうだろう。彼の驚きは当然だ。だが珠美はあっけらかんと言い放つ。
「そうですよ~いいじゃないですか~ここで会ったが百年目、ですっ!」
「タマちゃん、それって仇(かたき)を見つけた時のセリフじゃない?」
思わずどうでもいいことを突っ込んでしまった澄花だが、珠美はウフフと笑ってじりじりと杉江に近づいていく。
「まぁまぁ、いいでしょ? 先輩に迷惑かけたんだから、そのお詫びだと思ったら安いもんですよっ」
「た、たしかに……!」
しかも杉江に奢らせるつもりらしい。
驚いた澄花が口を挟もうとしたが、それよりも早く、杉江はきりっとした表情でしっかりとうなずくと、まかせろといわんばかりに胸のあたりをこぶしで叩く。
「わかりました! ぜひご馳走させてくださいっ!」
それを見てまた珠美はニコニコと機嫌よく微笑んでいる。
(そういえばタマちゃん、天宮さんとは違うけど、タイプだって言ってたっけ……いいきっかけだったのかも?)
澄花はいきなりの展開に驚きながらも、結局杉江と一緒にランチをとることを了承せざるを得なくなってしまった。