お気の毒さま、今日から君は俺の妻
気持ちという、見えずこの手に触れられないものを、いったいどうしたらいいのかわからない。
だがひとりで答えを出すのではなく、澄花は龍一郎に自分の気持ちを聞いてもらいたいと思った。聞いてもらったうえで、龍一郎と話がしたかった。
(虫が良すぎる話かもしれないけれど……それでも……)
目を閉じたまま、指先でピアスに触れる。
黒い服を着ることでかつての幸福をしのび、世界の色を拒否していた澄花だが、今は違う。気が付けば誰かのために装うことの喜びを感じるようになっていたし、そもそも他人にどう思われたってどうでもいい、などということはなくなった。
(私……龍一郎さんのこと……)