お気の毒さま、今日から君は俺の妻
古河はひどくビックリした様子で、澄花を玄関の中に招き入れる。玄関はまた車が何台も停められそうくらい広く、かつて澄花がひとりで住んでいた部屋以上だった。
「あの……ここは、古河さんの……?」
古河が出してくれたスリッパをはきながら、澄花は周囲を見回す。
「いえいえ。私はここの主(あるじ)にお仕えしているだけなのです」
「主……?」
「はい」
古河は壁一面がガラス窓になっているリビングフロアに澄花を招き入れると、ふたつあるソファーセットのうちのひとつに座らせた。
(こんな大きなソファーセットなのに、あともうふたつはおけそうね……)
近代的な美術館の様なモダンな雰囲気のあるリビングは、おそらく五十畳近くあるのではないだろうか。そして白い壁に白い天井、不思議な曲線を描いている窓の外には、芝生の緑が美しい。よく見るとプールまである。
「どうぞ」
手早くお茶を淹れて戻ってきた古河が、景色に見惚れている澄花の前のテーブルに茶碗をのせた。
「……ありがとうございます」