お気の毒さま、今日から君は俺の妻
続けて背中に腕が回る。どうやらそのまま部屋の中に引きずり込まれたらしい。ドアが閉まる音がして、澄花の背中は龍一郎の体で、ぴったりとドアに押し付けられてしまった。
(どうしてこの人はいつも突然で強引なの!?)
そう思いながらも、澄花は龍一郎の抱擁に胸がいっぱいになる。
広くて大きな胸。熱い体。熱っぽい瞳に甘い声。
「澄花……どうして君がここにいる? 私には全然理解できない。どうして……ああ、俺はもしかしたら夢を見ているのか……?」
何度も貪るように口づけて、龍一郎はうめくように名前を呼び、そしてまたじっと澄花を見つめる。そして指先で澄花の頬の輪郭を撫でて、あご先をすくうようにして持ち上げた。
「龍一郎さん……」
彼の美しい瞳にはどこか物悲しい影があった。
澄花は唇をかみしめた後、龍一郎の手を握り返して、揺さぶった。
「帰りましょう。私たちの家に、一緒に帰りましょう!」
超高級住宅地にそびえる豪邸が悪いと言っているわけではない。すばらしい場所だし、建物だと思う。