お気の毒さま、今日から君は俺の妻
澄花は目をしぱしぱさせながら野菜を刻んだ後、油をひいた鍋で生姜、玉ねぎ、キャベツと順番に炒める。トマトを適当に切って、さらに水とコンソメを足し煮込んだあと、ソーセージを入れて塩コショウで味を調え、蓋をし、火を止めた。
なんてことのない普通のスープだが、澄花はこの生姜とトマト味のスープが好きで、よく作っていた。
龍一郎も、この結婚生活で何度か口にしているはずだ。
(いつものようにしていよう……私が龍一郎さんの帰る場所なら、私はいつも通り龍一郎さんを迎えるだけだ)
「――澄花」
食事を作ったあと、キッチンのテーブルでうとうとしていたらしい。
軽く肩を揺さぶられて、澄花はハッと目を覚ました。
上半身を起こすとスーツの上着が滑り落ちる。どうやら龍一郎がかけてくれていたようだ。
「龍一郎さん……」
澄花はぼーっとした表情で顔をあげる。