お気の毒さま、今日から君は俺の妻
―――――――
「――いつまで恥ずかしがっているつもりだ」
「いつまでって……」
澄花はバスタブの中でさらに膝を引き寄せて縮こまる。
「明るいのが嫌だからと、アロマキャンドルにしたんじゃないか」
「そうですけど……」
広いバスタブは背の高い龍一郎と向かい合って座っても十分余裕がある。龍一郎は長い足を延ばし、澄花はその足の間に三角座りだ。
そして龍一郎の言うとおり、バスルームの照明を明々とつけるのはやめて、アロマキャンドルをいくつか照明代わりに灯している。
(いい案だと思ったんだけど……ロマンチック過ぎてドキドキする……かも)
バスルームは静かで、水音しかしない。そしてオレンジの明かりにともされた龍一郎は、ハッとするくらい美しい。彼の顔が、水面に揺らめいて幻想的だ。
好きな人が今、目の前にいる。永遠に眺めていたい。本気でそう思う。
正直言って、こんなことは初めてだった。
「龍一郎さん……」