お気の毒さま、今日から君は俺の妻
「ほうほう……それで先輩、私に連絡してきたってことなんですねぇ~?」
珠美はウフフと笑いながら、両手でカフェオレボウルを包み込んで首をかしげる。
「ごめんね、タマちゃん……せっかくのお休みなのに呼び出したりして」
「いいんですよっ、私だって久しぶりにお休みにあえて嬉しいですもんっ」
そして珠美はメニュー表を広げて、サッと手を挙げた。
「すみませーん、このモモのタルト下さい~」
「あっ、私も」
「うんうん、先輩も食べましょう、食べましょう」
珠美は悪巧みをするようにして、イッヒッヒと肩を揺らす。
龍一郎の運転する車から降りた澄花は、最初怒りにまかせてただひらすら道をまっすぐ歩くということをしていたのだが、どうにもモヤモヤが晴れず、ふと珠美の顔を思いだして電話を掛けていた。
そして珠美の自宅の最寄りの駅で待ち合わせをして、すぐ近くにあるカフェに入り、ことの顛末を話したというわけである。
「――なんていうか」
窓際の小さな丸テーブルに座って、澄花は運ばれてきたモモのタルトをつつきながら、顔を伏せる。