お気の毒さま、今日から君は俺の妻
今その話が関係あるのかと思ったが、澄花は言われた通り、不二基の説明をする。
基はとにかく紳士で、澄花が不愉快に思うこともなにひとつなかったし、感じのいい人という印象しかなかった。
男性にあまり慣れていない澄花でも、距離感に身構えることもなかったので、あれはおそらく彼のコミュニケーションスキルが高いのだろう。
「ほうほう……」
珠美は架空のひげでもあるかのようにあご先を撫でながらにやりと笑う。
「なんなの、タマちゃん。今は不二さんがどんな人かなんて関係ないでしょ」
「いやいや、先輩。あるでしょう」
「え?」
珠美の発言に澄花は目を丸くした。
「だって、すっごいイケメンじゃないですか。今、ググりましたけど」
「えっ?」
差し出されたスマホを覗き込むと、インターネットの記事がいくつもひっかかっていた。スーツ姿の基がファッション誌や経済誌のインタビューを受けている写真付きの記事だ。