お気の毒さま、今日から君は俺の妻
どこから撮っても美しく、堂々たる美青年ぶりに、澄花はついさっき、エプロンがうまく結べなくて立て結びになっていた基の顔を思いだしたが、うまく重ねることが出来なかった。
「えっと……確かに不二さんはものすごくきれいな顔をしていたけど。それにどういう意味があるの?」
「や、だからやきもちやいたのでは?」
「――は?」
「だって、葛城さんってそーとーな焼きもちやき屋さんで、独占欲強い系ですよね」
「――」
澄花は思わず無言になったが、慌てて首を振る。
「いやでも、龍一郎さんと不二さんは、子供の頃から知り合いって聞いてるし。そんな相手にやきもちだなんて……」
確かに過去、タカミネコミュニケーションズの副社長である天宮に、そんなそぶりを見せたが、まさか幼いころからどういう人間か知っている相手に、焼きもちを焼くとは思えない。しかも、昼日中に一緒にサンドイッチを作っただけの相手だ。デートしたわけでもない。誰が見たって、澄花はただのおさんどんの手伝いである。
「そんなはずないわよ」
澄花は肩をすくめたが、珠美は「そんなはずあるんですって」と譲らなかった。