お気の毒さま、今日から君は俺の妻
「ふふっ、タマちゃんったら。ありがとう」
澄花は珠美に感謝しながら、一緒にお茶を楽しむことにしたのだが――。
「澄花」
「龍一郎さん……?」
なんと私服姿の莞爾と一緒に、龍一郎もカフェに姿を現したのだ。
女性向けのかわいらしいカフェが、ふたりの長身の男の乱入で、一気に雰囲気が変わる。
莞爾は目を丸くする澄花に、「あの……すみません」と頭を下げた。この様子からして、龍一郎は莞爾経由で澄花の居場所を知ったらしい。
だがふたりはなにも悪くない。
澄花は「私こそごめんなさい」と頭を下げる。
一方、苦虫をかみつぶしたような龍一郎に、澄花も『そんな顔するくらいなら、迎えに来なければいいのに』と内心反発を覚えてしまったが、ここにいても仕方ない。
「――行くぞ」
龍一郎はそのままテーブルの上のレシートをつかむと、レジで支払いを済ませ、スタスタと歩き始めた。
「ちょっと、龍一郎さん」
澄花は後ろをついて歩きながら、夫の名前を呼ぶ。
「行くってどこになの?」
すると彼は振り返り、そのまま澄花の肩を抱き寄せた。