お気の毒さま、今日から君は俺の妻
だが龍一郎が、無言で澄花の腕をつかんで立たせた時点で、もしかしたら自分は、なにか失敗してしまったのではないかということは、分かった。
「あのっ……」
腕をつかまれた澄花はよろめき、龍一郎の胸の中に飛び込むような形になった。
「君は俺を煽る天才だな」
「えっ?」
「今のは効いた」
「だからなにが……」
いったい何を言われたのかわからなかった澄花は、目をパチパチさせながら顔を上げる。するとすぐに覆いかぶさるようにして龍一郎が澄花に口づけてくる。
「んっ……」
それは突然のキスだった。
いくら個室とはいえここはレストランだ。いつ給仕が姿を現すかわからない。
澄花は慌ててやめさせようと口を開いたが、その開いた口に龍一郎が舌をねじ込んできて、言葉は封じられてしまった。
「んっ、んんっ……!」
なんとか身じろぎして龍一郎の手を振りほどき、胸を押し返して睨みつける。
「こっ、こんなところでっ……!」
「そうだな……早くベッドに行こう。君を抱きたくてたまらない」