お気の毒さま、今日から君は俺の妻
「澄花……」
そうやって長い時間をかけた龍一郎は、シーツの上でさんざん乱れ、息をあげる澄花の手を取り、自分の心臓の上に手のひらをのせる。そして手を離し、今度は澄花の上半身に覆いかぶさるようにして、体を重ねた。
「俺に、触れてくれ……」
そして下半身に押し付けられる熱に、澄花は引き寄せられるように手を伸ばす。
それは大きく、熱かった。
ずっと冷静で乱れない、氷のような龍一郎の体の一部だと思うと、不思議な気がした。
(なんだか不思議……)
澄花が指先を滑らせると、それまでずっと落ち着いていた龍一郎が初めて苦し気に眉根を寄せ、息を漏らした。
「澄花……これが君の中に入る……」
その言葉に澄花の心臓は大きく跳ねた。
「――少しばかり大きくて、苦しいかもしれないが、我慢してほしい」
(ああ、いよいよなんだ……)
澄花はごくりと息を飲む。
これで自分は、龍一郎の正式な妻になるのだ。
初夜は想像よりもずっと辛くなかった。惨めな気持ちにもならなかった。嫌な思いはひとつもしなかった。彼のおかげだろう。
受け入れることは受け身かもしれないが、心構えをする時間は十分、龍一郎が作ってくれた。