この恋が実るなら
「仕事頑張ってる寧々も、素敵だね。」
と、いつものようにニコニコ褒めてくれるので、
「もう、お仕事頑張るのは当たり前!蒼一郎さん、私を甘やかしすぎですよぅ。
そうやって他人のことあれこれ褒められる蒼一郎さんが、素敵なんだよ。」
痴話話をしながら、いつもの蒼一郎さんのマンションに到着した。
蒼一郎さんがドアを開けると、照明が少し落とされてて、耳に心地いいジャズが流れてる。
「あれ、どうしたの?何か素敵な雰囲気…。」
「ちょっと目を閉じて」
言われた通り目を閉じて、蒼一郎さんの手に引かれてリビングに入る。
あれ、今日って私の誕生日じゃないし、何かの記念日だったっけ?
いや、心当たりがないな…。
椅子を引く音が聞こえた。
「ほら、座って。目を開けていいよ。」