この恋が実るなら
目を開けると、目の前にはお花が飾られた花瓶とキャンドル。その周りに、美味しそうなお料理が並んでた。
「わぁ…何、これ!?すごい!」
目を丸くして驚いていると、満足げな蒼一郎さんも席についた。
「気に入ってくれた?」
「もう、蒼一郎さん、すごすぎだよ…。ていうか今日って何かの記念日だったっけ?」
「そういう訳じゃないけど…ちょっと寧々を驚かせたくてね。大成功。」
温野菜のサラダとアボカドのディップ、キノコとえびのアヒージョ、スモークサーモンのカルパッチョがある。
蒼一郎さん、料理上手すぎて私の立つ瀬がないんですけど…!!
「あ、忘れてた。ビーフシチューも作ったんだった。遅い時間だけど、食べるかな?食べるなら温めるよ。」
「これだけでも十分豪華なのに、ビーフシチューまで!!せっかくなので、いただきます!!」
蒼一郎さんがシチューの鍋を温めにキッチンに向かった。
こんなにまでしてもらって、私は何を返せてるのだろうか。