この恋が実るなら


食事が終わりかけると、蒼一郎さんは


「ちょっと待っててね。」


と、いそいそとテーブルを離れて書斎に入って行った。


何だろう。


すぐに戻ってきた蒼一郎さんは、小さな箱を手にしている。


…ん!?


これは!?


まさか…!?



蒼一郎さんがゆっくり箱の蓋を開けると、中にはキラキラ光る石がついた指輪…。


「えっと、あの、これって…」




戸惑ってると、いつもの優しい笑顔で口を開いた。



「寧々、僕と結婚してほしい。」



「え…、え…!?」


驚き過ぎて、言葉が出てこない。



「付き合ってまだ3カ月しか経ってないのに、ちょっと気が早いかもしれないけど、僕は最初からそのつもりでいたから。


この先も、ずっと寧々と一緒にいたいって思ってる。」



真っ直ぐ私の目を見つめてそういう蒼一郎さんの表情は真剣で、冗談なんかじゃないってわかった。



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