この恋が実るなら
こんな感じで、バイヤーの仕事も順調にしてるんだろうか。
ちゃんと気持ちを伝えてくれるっていうのは、大事なポイントだ。
「それに、さっきも言ったでしょ。僕、一途だよ。ずっと、大切にしたいって思ってる。
だから、また会ってくれる?」
また、吉川さんは真っ直ぐ私の目を覗き込んで尋ねた。
「はい…、こんな私でよければ、是非。
私も、吉川さんのこと、もっと知りたいです。」
緊張の解けた空気の中で、吉川さんの大きな手が、私のそれに重なった。
ドキドキしてる。
手のひらから、ドキドキが伝わってないかな。
「じゃあさ、早速だけど、その吉川さんってのやめてよ。名前で呼んでくれたら、嬉しいな。」
「えっと…、じゃあ、蒼一郎…さん。」
「うん、じゃあ、寧々さん。寧々ちゃん。寧々。…。どれがいい?」
「え…」
キョトン。
なに、この企み顔…
「ぷはっはっは…!」
一瞬の沈黙の後、顔をくしゃっとした蒼一郎さんに、笑われてしまった。
あれ、私からかわれてる?
なんか、紳士な蒼一郎さんのイメージが…
「ごめん、なんか反応が可愛くて。笑ってごめん。
まだ彼女になってくれると決まった訳じゃないし、今はまだ寧々さん、にしとくよ。」
なんだか、やっぱり終始余裕な蒼一郎さんのペースにはめられてる気が。
でも、なんか緊張も取れて、心地いいかも。
好きに、なれるかも。
蒼一郎さん。