この恋が実るなら


「そっか、仕事忙しそうだもんね。残業ってことは、山口くんもいつも一緒なの?」


「一応同じチームなので、だいたいみんなで残る事が多いかな。」


そう言うと、何故だかちょっと不機嫌そうに口を尖らせてる。


不貞腐れ顔が似合わない…。
つい笑ってしまった。


「ぷぷっ。紳士な蒼一郎さんがそんな顔するなんて、どうしたんですか?」


「別にぃ。ちょっとヤキモチ焼いただけ。だって、絶対僕といるより、仕事仲間といる時間の方が長いでしょ。」


と、また子供っぽいことを言う。
可愛い。


「私の仕事仲間にまでヤキモチ焼いちゃう蒼一郎さんも、可愛くて好きですよ。」


「もう、そんな事言われたら、またくっつきたくなる。」


そう言ってまた私の体を抱き寄せた。
今度は私を膝の上に乗せて、さっきより少し強引なキス。


「寧々、好きだよ。」


「…私も。」


二人の体が、ふかふかのソファに倒れこむ。
蒼一郎さんは、私の髪を撫でながら、優しいキスを続けた。



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