お見合い愛執婚~俺様御曹司に甘くとらわれました~
「なんかもう情けない。情けなさ過ぎて消えちゃいたい」
どうして私はこうなんだろう。
欲しいと思ったものは離れていく。
掴み取ったと思ったのに、指の隙間から零れ落ちていって、最後には何も残っていないのだ。
惨めだ。
ソファで体育座りをして膝に顔を埋める。
「よし、行くか」
沈黙が重くのしかかる空気の中、智哉がおもむろに立ち上がった。
顔を上げると、智哉は床に置いていた自分の鞄を掴んでいた。
「上着どこ?あ、これでいっか」
「ど、どこに」
床に脱ぎ捨てていたトレンチコートを渡してくるのを戸惑いながらも受け取る。
私の問いに智哉は形の良い唇の両端をゆっくりと持ち上げた。
「最高にスッキリするところだよ」