お見合い愛執婚~俺様御曹司に甘くとらわれました~
「いただきまーす!」
智哉が所望した店は私がよく使っている定食屋。
昼間しか来たことがなかったけど、夜も営業しているらしく店内は仕事帰りのサラリーマンや学生でわりと混雑している。
「前にサバの味噌煮定食の写真送ってきただろ?あれすっごい美味そうだったから、どうしても食べたくて」
「そ、そう」
私は天ぷらそばを食べながら未だに戸惑う。
もっと高級料亭とかホテルとか言うのかと思ったのに。
私がいつも利用している定食屋はリーズナブルで美味しいけど、店の中は年季が入っていてお洒落とは言えない。
私の財布を考慮して合わせてくれたのかと思うと申し訳なさと惨めさが身体に広がる。
「本当にこれだけでいいの?」
「うん。なんで?」
「だって普段から高いもの食べてるじゃない。うな重とか」
「あれは接待でたまたま食べさせてもらっただけ。普段は路面に並ぶ居酒屋にも入るし、定食屋にも行くよ。それこそ、毎日うな重とか食べてたら脂肪肝の痛風になるわ」
そう言ってサバの味噌煮を綺麗な箸使いで一口取り食べた。
その後に白いご飯をおいしそうに頬張る。
見ているこちら側も気持ちいい食べっぷりで、無理して食している様子はない。