お見合い愛執婚~俺様御曹司に甘くとらわれました~
「おいしい!すごい飲みやすい」
「だろ?最近、商品化したんだ。でも、あんまり芳しくないんだよな。多分、日本酒のイメージって年齢層上に思われてるから若い、特に女性には敷居が高いらしい」
「うまいんだけどな」と智哉が残念そうに肩を窄める。
私は『撫子桜』と智哉を交互に見つめて思案した。
「……一杯だけとか」
「え?」
「いや、私みたいにお酒が弱いと気軽に買って帰られるサイズがなかなか日本酒ってないんだよね。割高なイメージもあるけど、飲むとおいしいなら多少ビールより高くても買うとは思う。でも大きい瓶は重いし、何より飲み切る自信ないから手が出しにくい」
呑み切りサイズはコンビニではなかなか売っていないし、売っていても男の酒って感じのワンカップくらいだから買いにくい。
「パッケージとか瓶とか、もっと可愛くして、でも高級感は捨てない上品なデザインで。売り場所もコンビニとかわりと気軽に買って帰られるところがいいな」
と、ここまですらすら言ったところで我に返る。
えらそうに何を言ってるんだ、私は。
コストがかかるのにそれに費やす費用と時間も考えずに、無責任に言うのはよくない。
案の定、智哉が箸を置いて神妙な顔つきで腕組みするから焦る。
「忘れて、ただ言ってみただけ……」
「ワンカップか。親父くさいってイメージをデザインで革新してみるか。ちょっと会議にかけてみる」
「え?本気?」
予想外の展開に目を丸くすると、智哉は大きく頷いた。