恋は盲目、愛は永遠
「唯子、もっと食べなさい」
「もうおなかいっぱいで・・・」
「そうか」
「・・・すみません」

私は久しぶりに早く帰ってきた鈴太郎さんと一緒に、夕食をとっていた。
ここに来てから、私の食欲は落ちてしまった。
恐らく環境の激変のせいだろう。
鈴太郎さんが私のために用意してくれていたクローゼットの中の下着や服が、少し緩くなってきた気がする。

服や下着は、ヨーロッパやアメリカの高級ブランド品で統一されていた。
鈴太郎さんにしてみれば当たり前なんだろうけど、私にとってはこれらの総額で、家一軒建つんじゃないかと思うくらいの贅沢品だ。でも・・・。
「唯子には、私の妻としてふさわしい格好をしてもらう必要がある」と鈴太郎さんに言われたら、従うしかない。

それにしても、私に一言も聞いてないのに、サイズはもちろんピッタリで、鈴太郎さん好みの服ばかりそろえられていたのは、さすが伊集院家だと思った。
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