恋は盲目、愛は永遠
私たちは、井沢にある伊集院家の別荘へ出発した。
なんと、鈴太郎さん自らの運転で、しかも私たち二人きり。

「ハネムーンだぞ。二人きりなのは当たり前じゃないか」
「それはそうですが・・・鈴太郎さんが車の運転できることに驚いちゃって」
「そうか。唯子は私の運転する姿を初めて見るんだよな。これでも大学と大学院にいた間は、一人暮らしをしていたからな。まあ唯子と結婚するまではそうだったが。イギリスとアメリカにいた約7年間は、メイドもいなかったから、私は家事もできるんだぞ」
「えーっ!?」
「なぜ驚く。しかも本気で」
「いや!だって鈴太郎さんが料理をしているところはもちろん、スーパーへ買いものへ行ってる姿なんて想像もできないんですけど!」
「そうか?では後で買いものへ行くか」
「あ・・・はいっ!」と元気よく返事をした私をチラッと見た鈴太郎さんは、満足気な笑顔をしていた。
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