一途な社長の溺愛シンデレラ
だけど、彼女は御池さんをも上回る『世の中は見た目ばかりがすべてではない』を体現した存在だ。
「萌、今日は急にごめん。仕事、大丈夫?」
出入口に続く階段を上りながら尋ねると、萌はぱっちりと大きな瞳に私を映して、ふんわりと微笑んだ。
「今日は早上がりだったから、全然大丈夫」
私は感情が表に出にくいタイプだと自覚しているけれど、萌も真逆の意味で感情に偏りがあると思う。
いつもニコニコしていて、博愛主義とでもいうのか、生きとし生けるものすべてに優しい彼女は、そもそも怒りの感情なんてもちあわせていないのかもしれない。
これまでに幾度となく感じてきたことをあらためて思いながら店のドアをくぐる。