一途な社長の溺愛シンデレラ
すぐに私たちに気がついた主婦らしき女性スタッフに案内されて、奥の席に移動していると、となりを歩いていた萌が不意に私の腕を引っ張った。
「沙良ちゃん、危ない」
その直後、背後でガシャンと音がした。
振り返ると、高校生くらいの若い女の子が傾いたトレーを手に呆然としていた。
まだアルバイトを始めて日が浅そうな彼女は、つまずいて料理を床にぶちまけてしまったらしく、私がついさっきまで立っていた場所まで湯気を立てたグラタンの残骸が飛び散っている。
「大変失礼いたしました! お客様、大丈夫でしたか?」
駆けつけてきた主婦スタッフに平気だと答え、私たちは何事もなかったようにテーブルに着いた。