一途な社長の溺愛シンデレラ
私は絵里奈と恋愛映画を観にいったことや、みんなで食べにいったラーメン屋で社長にミューズがいたことが判明したこと、最近の自分の作品は暗い色合いのものばかりだということを、時系列に沿ってそのまま語った。
「沙良ちゃんは、社長さんのことが好きなんだね」
鉄板にナイフを置きながら萌がそんなことを言って、私はスプーンの手を止めた。
「好き? 私が、社長を?」
「え、ちがった? そうかなって思っただけだけど」
優しげに微笑む彼女をじっと見返す。
恐ろしいほどの直感力と危険察知能力をもつ萌の表情に変化がないかを観察しながら、私はおそるおそる口に出した。
「それも、勘?」
「……どうかな」
ふふっと、彼女は声に出して笑った。