一途な社長の溺愛シンデレラ

 都心とはまるでちがう、遮るもののない広い空に、ぽっかりと月が浮かんでいた。

 一見きれいな円に見えるけれど、よく見ると左右非対称の不完全な月だ。

 ふいにイメージが浮かび上がる。

 生命を湛えた美しい惑星のまわりを、満ち欠けしながら周回する小さな衛星。

 まるで恋焦がれるように、相手の気を引くようにそばにいるわりに、一定の距離を保ったまま近づくことはできない。

 オスだとかメスだとか、性欲の対象だとか、信頼しているだとか、そういうのをすべてひっくるめて、私は結城遼介に恋をしているのだと、そう思った。





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