一途な社長の溺愛シンデレラ
品のよさそうなワンピースに、かかとがやたらと尖った華奢な靴、カツカツと地面を蹴るたびに不自然なほど艶を放つ長い巻き髪が背中で揺れている。
私や絵里奈や、もしかしたら社長よりも年上かもしれないその人は、お金をかけて磨き上げたような大人の美しさというものを全身に備えていた。
「ねえ、遼介!」
彼女の鼻先で、社長はエントランスのドアを閉めてしまった。
その対応に、私は少なからず驚く。
あの社長が、口先では文句を言いながらも面倒見のいい彼が、女の人を無視してオートロックの外に締め出すなんて。
固まっている私の存在には気づかず、尖ったヒール靴の女は大きく舌打ちをした。