一途な社長の溺愛シンデレラ
「無視したって無駄よ! いつまでも付きまとってやるから!」
ドアに向かって吐き捨てるように言うと、彼女は大通りに出てタクシーを拾い、国道へ消えていった。
上品そうな出で立ちには不釣合いな振る舞いに呆気にとられながら、私は社長のマンションを見上げる。
以前、私の部屋で社長が寝入った時にしつこく電話をかけてきたのは、今の彼女なのではないだろうか。
社長のミューズだと思っていたけど、今の出来事を見る限り、彼にとってはあまり好ましくない相手のように感じられた。
いったい、なにが起きているのだろう。
ほっとしたような、さらに不安が増したような、不思議な気持ちなりながらしばらく立ち尽くし、私は自分の家へ向かって夜の通りを歩き出した。