一途な社長の溺愛シンデレラ
「コーヒー飲みますか?」
「眞木ちゃんが天使に見えるよ。濃いやつ、よろしく」
「はあい。沙良ちゃんは……もう自分のがあるからいいよね」
私が手にしているカフェSlo-Moのテイクアウトカップを確認すると、絵里奈は社長の机に目を向けた。
「社長……も、濃いコーヒー淹れましょうか?」
書類とにらみ合っていた社長が顔を上げ、絵里奈に微笑みかける。
「いや、俺はいいよ」
この二週間ですっかり頬骨が目立つようになった社長は、やせたというよりもやつれたという印象だった。
ここのところ忙しいのは確かだけど、社長は私や西村さんとちがって制作にあたらず、チェックや管理業務が主だから、物理的な忙しさはこれまでとそんなに変わらないはずだ。