一途な社長の溺愛シンデレラ

 テーブル越しに詰め寄ってくる絵里奈を押し戻すようにして、社長はおしぼりと水を渡す。それから「まったく」とあきらめたように息をついた。

「いないよ彼女なんか。俺はデザート・ローズに命をかけてるし」

 これで満足か、というように社長が絵里奈を見る。

 質問をぶつけた当の本人は、納得がいったようないかないような、困惑した表情になっていた。

 それから考えすぎて頭がショートしたのか、それとも酔いのせいか、いきなり眉を吊り上げて私と社長を交互に睨んだ。

「ていうか、なんでさっさとくっつかないのよ、このふたりは!」

 箸を振り回さんばかりの絵里奈を、西村さんが隣から押さえる。


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