一途な社長の溺愛シンデレラ

 はじめて作(るのを手伝)ったハンバーグは、想像以上においしかった。

 驚いている私に、社長は「それはたぶん、『作る工程』が加味されたからだ」と説明した。

「料理は味覚だけではなくて、視覚でも味わうものだから」と。

 食事を終え、二人がけダイニングテーブルを拭きながら料理というものの奥深さをあらためて感じていると、洗い物をしていた社長が顔を上げた。

「あとはいいから、座ってろ」

 言われるまま、カウンターに置かれたワインとミックスナッツを持ってソファに移動する。

 いつものように窓の外を眺めていると、片付けを終えた社長がエプロンを外して私のとなりに座った。

「疲れたか?」

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